「トリアングル」俵 万智

借りて読ませてもらいました。
新聞に連載されてる時には一度も読みませんでした。それでも何度か評判を耳にしましたし、インター

ネットへの書きこみも読んでました。
そこでは「衝撃的」、「ちょっとついていけない」、「イメージと違う」という感じで、あまりよく書

いてなかったと憶えてます。

それが今回読んで、自分の感想は「全然そういう印象と違うじゃん?」です。
僕としては好感が持てました。だから単なる聞きかじりって危ないもんだな、と思いました。

連載が終わって、よしもとばななとの対談が新聞に載ってて、そこでよしもとは「これは自分の経験か

らですか?」のような感じで聞いてた気がします。それに対して何て答えてたか忘れちゃったけど..

.彼女のいくつかのエッセイのことともだぶるところがあるんで、きっと彼女は自分の理解できる世界

のことを書いたんだと思う。こういうのってアリだと思うと。

ある人に感想を言ったけど、僕にとってはすごく素直に生きてるという気がしました。
現実にはこうは出来ません。その普通なものさしで測れば、我慢するのが大人だし、自分の思いのまま

の勝手で人を傷つけたりとか許せないなんて思うんでしょう。

僕自身もそう。僕は特に気にして生きている方だと思います。
そうやっていると、何が本当の自分の気持ちなのかわからなくなることがあります。まわりを気にする

のをやむを得ずやってるのか、それが自分の生きかたなのか。
それをすっきりと彼女の小説は書いてる気がします。小説の中だからこそいられる彼女として。
その生き方は、たえずその時の自分の気持ちを確かめ、それに正直でいようとしてる。
それがいいな、と感じます。

無責任とかわがままといえばそうかもしれないけど、じゃあ途中から変わってしまった気持ちを偽って

、過ごすのと相手に対してどっちが正直? 一度決めたんですから、責任ちゃんととりますって?

人の気持ちは年令、環境...色んなことで変わっていくものです。
年令とともに物事に白黒つけるっていうよりも、あるがままにっていう気持ちになっていく気がします

。それは自分だけではどうにもならないことがたくさんあるし、自分の気持ちだってそうだと知るから

です。
だから彼女の態度はよくわかるし、それが自然に感じるんです。

ほんとはもっと書ける気がしますが、そういう気がしながらかれこれ数週間が経ちました(苦笑)
だからこれで一応、締めることにします。