「フォーティーン」石田衣良

ご存知、直木賞をとった作家。なかなかよかった、けどちょっと軽いかも、とすすめられて、読んでみました。
名前の通り、中学生の頃の話。
読んでて、そうそう、このころは色んなことに影響受けて、自分も変えられたというか、変わったなと思った。形がはっきりしてない分、そうなんだろうと思う。
今は...なかなか変わらない(苦笑) その時は感銘をうけて、自分のなかに何か種が植わった感じがしても、落ち着いてしまうと、いつもの自分。
変わらないとは違うとは思うので、変わるのには繰り返しが必要だったり、時間が必要だったりでしょう。

本には、巷で話題になるようなことは一通り出てくるし、アイテムもそういった子達が使いこなしていそうなものが出てくる。話題といい近い世代の子が読んでも良さそうだけど、やっぱりこの小説は大人が懐かしむ感じなんだろうな。
まずはものごとをあまりにきれいに理解しすぎてる。

中学の頃って、小学校とは勉強、つきあいの範囲、女の子が急に大人っぽく見えたりと、小学校とは明らかにギャップがあって、それが自分が大人になったように感じさせて、そんな風なものの見方をしちゃう時期ではある。例えばディベートとか? すっごく偉そうに話を展開してたと思う。
そう、かえってもうしばらく経って、高校とかになった方が、自分の気持ちも世の中も、そう考えてる通りにいかないよ、というのがわかって、あいまいなものをそのままずるずるとさせておくような、そんな感じが増えた気がする。それはわからないというより、そんなもんだよ、という物事を一面だけじゃなく見るようになったがために、かえって言い切れなくなったような、そんな感じかもしれない。

そんな感じで、わかった風な中学生というのはわかるけど、それにしてもここまでものわかりのいいのはないな〜..所々、こりゃあ大人の想像した子供の気持ちだろうな、と思うことがあった。
NHKのドラマのような、悪そうなよい子

もう何冊か読んでみようとは思います。